【ボードゲーム 紹介】フェレ―タ

中量級

争う2つの公家の間を上手く立ち回り褒賞(勝利点)を得ていく。
相手プレイヤーの思惑を読み切った時の快感がたまらない!!小箱でもプレイ感は濃密。

プレイ中は気にならないがダウンタイムがところどころで発生する。
戦場決め、役割のドラフト、兵站カードの采配。この間、手番じゃないプレイヤーは完全に待ちになってしまう。しかし、他のプレイヤーの選択が自分のアクション選択に関係するから目が離せない。そのため、ダウンタイムはそんなに気にならない。

このゲームで各プレイヤーは鷹家か薔薇家のどちらかに所属する。

2つの公家は領土争いをしており、プレイヤーは戦場となる土地に戦力を投下して争う。
戦場となる場は土地カード(村や川、牧草地などがある)を円形に並べて用意する。

各土地カード下部には戦の勝利時に得られる得点が記載されている。少ない人数で勝利できた時に高得点が得られる設定である。左下には勝敗を分かつ土地の基礎戦力が記載されている。

戦では戦力が大きい公家が勝者となり、相手の領土を獲得する。
そして勝利した公家に所属のプレイヤーは得点が獲得できるのである。

もちろん勝敗は土地カードの戦力だけで決まるわけではない。
各プレイヤーには兵站カードが配られている。

ゲームのある場面で任意の枚数を公開して、戦場に追加の戦力を投下することができる。
兵站カードの公開はスタートプレイヤーから順番に行われる。
ここの兵站カードの公開がゲーム中、ヒリヒリして盛り上がる。

またフェレ―タには兵站カードに加えて欠かせないカードがある。
それが6種の役割カードだ。戦力を加算させるもの、兵站カードを補充させるもの。
そして反逆者として自身の所属を変えるものなどがある。

先の兵站カードを公開していく前に、プレイヤー間で役割カードのドラフトが行われる。
回ってきたカードから、他プレイヤーが何を選択したのか考えて自分の役割を決めていく。

フェレ―タは反逆者という意味らしいのだが、役割カードで存在感を放つのがこの反逆者である。
ドラフトした役割カードを公開するのは兵站カードの公開後だ。
つまり反逆して所属を変えるプレイヤーがいるなら、兵站カードの加算先が変わるのだ。

変に兵站を突っ込むプレイヤーがいたら反逆しようとしていることを疑ってしまう。
逆に諦めていた戦であっても、他プレイヤーの反逆が期待できれば兵站カードを突っ込みたくなる。
しかし思惑通りにいかなければ兵站カードを消耗して、戦にも負けて点差が開いてしまう。

この駆け引きが悩ましい。
役割カードのドラフトもそうだが、兵站カードの突っ込み方が難しい。
なんせゲーム中の兵站カードの補充が渋い。潤沢に使えるものでない。

補充には①役割カード「農業家」をドラフトする、若しくは②「屋敷」を建設しておく必要がある。

農業家は一気に3枚も兵站カードをもたらしてくれるので、次ラウンドの戦に備えられる。

「屋敷」は役割カード「建設家」をドラフトすることで、任意の土地に屋敷を設置できる。
屋敷はラウンド終了時、自分の所属と屋敷が設置された土地を支配している公家が一致すれば、兵站カードをもたらしてくれる。

役割カードのドラフト、兵站カードの公開、役割の公開を経て
その戦場の両家の戦力値が計算されて勝敗が決定される。
その後は次のラウンドに向けて兵站カードの補充やスタートプレイヤーの切り替わりがなされる。

ラウンド開始時には戦場となる土地が決まるのだが
これは前ラウンドで役割カード「戦略家」をドラフトしたプレイヤーに決定権が委ねられる。

この「戦略家」、「反逆者」と同じくらいゲーム中のキーとなる。
何故なら戦に勝利して得られる得点が土地に依存するからである。
つまり、勝利点をリードするプレイヤーは戦略カードをドラフトして
意図的に得点の低い土地を戦場にしていれば逆転の可能性を小さくすることができる。

このゲームは多数派に所属していれば戦に勝って得点を得ることができる。
しかし、それでは他プレイヤーと差を埋めることはできない。
どこかで反逆者となって出し抜く必要がある。

でも反逆にはリスクが付き物である。
少数派となり、大きな得点を得られるかもしれないが負ける可能性も大きい。
反逆して多数派となれば、戦に勝てて戦にられる得点は小さい。

小さい箱で濃密なゲーム体験をもたらしてくれるフェレ―タ。
他プレイヤーの思惑を読み切ることができれば、それが得点となりトラックに目に見える形で現れる。
ドラフトの妙味がしっかりと味わえるこのゲームを機会があれば是非遊んでもらいたい。

初めはラウンドの流れが複雑に感じるが、サマリーカードが人数分用意されている。
そのため何ラウンドかプレイすればきちんと流れを掴むことができます!

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